セナカアワセ
やっぱり、



欲張りなお願いなんてしたからだ。




だから、




願いなんて叶わない。




新年早々から叶わなかった。



1年良い毎日が続くなんて、



そんなことあるはずないのに。




振り払われた手が、今更痛くなってくる。



初めて、



言われた。




お前、って。



苦しいのは遙人なんだから泣くな泣くなと思っても、流れ続ける涙。



私は栞里に抱きしめられたまま、声を上げ続けた。




それから、どうやって帰ったんだっけ?



どう、お正月過ごしたんだっけ?








気づいたら、新学期が始まっていた。




< 60 / 160 >

この作品をシェア

pagetop