セナカアワセ

第3節 出会い 遙人side





2年生の春。



なんにも無くなって、ぼーっと毎日を過ごしていた。



だって、毎日バスケしてたやつが、勉強なんて出来るわけない。



お兄ちゃんみたいに慕っていた奴は生徒会長になっていた。



地元の高校だけは嫌だった。



だから、電車で5つ先の高校に来た。



正直、知っているやつがいなければどこでも良かった。




部活にも入らないで、適当に校舎を見て回ると三階の端にあった図書室を見つけた。



適当に本棚を見ていると、



「おっ、1年生?」



と、図書の先生らしき人が声をかけてきた。



「いや、転入してきたんで高2です。」



先生はそうなんだー!って言うと、よろしくねと言った。



愛想のいい人だと思った。



だから何度か本も読まずに図書室に来ていたんだけど、ある日、これ面白いから読んでみなって黒い表紙の本受け取った。



「遙人君、理系でしょ?これ、面白いそうだからどうかなって思って。暇なら読んでみてね。」



そう言ってカウンターに戻って行った。



ブラックホール?



それは宇宙に関する本で、難しそうと思いながらも読み始めた。









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