セナカアワセ
へーー、ブラックホールってこうやってでんきのか。



今まで知ろうとも思わなかったものに出会って、感嘆の声が出る。



そうして少しずつ、宇宙とか科学とかそういうものに惹かれていった。



人物にも興味を持つようになった。



だから、同時に伝記にも興味を持つようになったんだ。



というか、こういう本を読んでいる方が何も余計な事を考えずに済んだ。



夏休みになっても、することないからひたすら本ばっかり読んだ。



そのおかげで、夏休み明けのテストで学年8位を取った。



会長は驚いていたけど、俺は好きなことしてたら取れただけだと言った。



でも、会長は俺の事を知っているから、好きなことが出来たなら良かったと笑ってくれた。



そして、



9月の体育祭。



俺はバレーとリレーに出ることになった。



バスケも誘われたけど、、、、



そこで初めて見たんだ。



1人で盛り上がってる変な人。



第一印象はそんな感じだった。



とにかく、俺が応援しに行く試合全部にいるし、外に行っても中に行っても、その人の声が聞こえた。



黒髪ポニーテールが体育館を走る度に揺れる。



「おっ、那美佳じゃん!」



隣にいた友達が指を指した。




「知ってるの?」



「そりゃーもう!あいつは体育祭のスーパーヒーロー、いや、もっとすげぇな。あいつのために体育祭があるって言っても過言じゃない。」



それから友達が那美佳の輝かしい結果を教えてくれた。



試合に出ればどんなに負けていても、絶対最後には勝つし、リレーに出たら絶対なんにも追い越して、しまいにはほとんどの競技に出てるって。




何者だよ。







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