セナカアワセ
俺がまーなと言うと、



「じゃあ、はいこれ。」



と言われて差し出されたチケット2枚。



「えっ!?なんで!?」



「貰ったの。4枚。友達から。あげるけど、料金だけ払ってよ。」



いつもならムカつくところだけど、今日は素直に感謝した。



次の日、チケットを手にして那美佳のクラスまで来た。




放課後渡してもよかったけど、早く喜ぶ顔が見たかった。



教室を覗いてみると、栞里ちゃんの隣にいるあの男。



仲良いのか?



とりあえず、廊下から名前を呼ぶ。



教室の前は人が多いから、ちょっと離れたところに来て、チケット見せた。




想像通り喜んでくれた。




こんな満面の笑み、初めて見たかもしれない。




飛び跳ねて喜ぶ姿と、




まっさらな笑顔で「ありがとうー!!」って言われると、俺の心がギュッとなった。





一緒に行ってくれるかも分からないし、いつ行くかも決めてなかったけど、俺の口からは自然とクリスマスに一緒に行こうと言っていた。



少し考えるようにしたけど、那美佳が行くと行ってくれた。




大事そうにチケットを持つ姿も、飛び跳ねて喜ぶ姿も、ありがとうと素直に言ってくれたことも。










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