【完】さつきあめ
わたしと向き直って、じーっと見つめる。
やめて!と思いながらもおずおずと顔を上げる。
「てかびっくりしたなぁ…。さくら本当に綺麗になったな。その化粧も髪形もすごく似合ってる。すごい綺麗だよ」
「そ、そんなこと…」
「さくらに1番似合う色は白。
俺の1番好きな色だ」
そう言って光が手に取ったのは肩とお腹の部分が花のレースになっていて、胸元にシルバーのビジューがきらきらと光るスカートの部分がふんわりと広がる白いワンピースだった。
さくらに似合う色は白。俺の1番好きな色だ。なんて言葉選びの上手い人なんだろう。
そんな言葉1つで自然に頑張ろうと思えていた。
その日の営業は金曜日とあってか賑わっていた。
美優に教えてもらったメイクと、綾乃が持ってきて、光が選んだドレスを着ると、店の女の子の反応も、お客さんの反応も昨日とは全然違っていた。
「え~!さくらちゃん新人なん?めっちゃ綺麗じゃん!」
「今度指名する!」
「めっちゃ可愛い子でラッキー!」
そう言って、連絡先を交換したり、2日目にして場内指名をしてくれるお客さんも現れた。
場内指名というのは本指名とは違うんだけど、本指名に繋げるチャンスにもなる。でも逆に見た目が変わるだけで人の心もこんなに変わるということに虚しさも感じた。
正直に高橋にそのことを言ったら「場内を取るのは案外簡単だ。それから本指名になって、それを継続することの方がずっと難しい」と言った。
やめて!と思いながらもおずおずと顔を上げる。
「てかびっくりしたなぁ…。さくら本当に綺麗になったな。その化粧も髪形もすごく似合ってる。すごい綺麗だよ」
「そ、そんなこと…」
「さくらに1番似合う色は白。
俺の1番好きな色だ」
そう言って光が手に取ったのは肩とお腹の部分が花のレースになっていて、胸元にシルバーのビジューがきらきらと光るスカートの部分がふんわりと広がる白いワンピースだった。
さくらに似合う色は白。俺の1番好きな色だ。なんて言葉選びの上手い人なんだろう。
そんな言葉1つで自然に頑張ろうと思えていた。
その日の営業は金曜日とあってか賑わっていた。
美優に教えてもらったメイクと、綾乃が持ってきて、光が選んだドレスを着ると、店の女の子の反応も、お客さんの反応も昨日とは全然違っていた。
「え~!さくらちゃん新人なん?めっちゃ綺麗じゃん!」
「今度指名する!」
「めっちゃ可愛い子でラッキー!」
そう言って、連絡先を交換したり、2日目にして場内指名をしてくれるお客さんも現れた。
場内指名というのは本指名とは違うんだけど、本指名に繋げるチャンスにもなる。でも逆に見た目が変わるだけで人の心もこんなに変わるということに虚しさも感じた。
正直に高橋にそのことを言ったら「場内を取るのは案外簡単だ。それから本指名になって、それを継続することの方がずっと難しい」と言った。