【完】さつきあめ
部屋の前に着くと、平然とした感じで部屋のロックを解除する。
それを見て、やっぱりこの人は朝日の女だと思った。
ゆりと別れたとはいえ、こんな綺麗な人と関係がある。
やっぱりあんな言葉信用してはいけないよ…と思った。
女は投げ捨てるように朝日を玄関に置くと、わたしに目をやった。
吸い込まれそうなくらい、目力のある人だった。
「宮沢さんの新しい女?ゆりとは別れたって聞いたけど」
それを否定するように思い切りぶんぶんと頭を振る。
ふぅん、と言って、わたしの顔の目の前までやってきて、じろじろと見つめる。
「あの、あなたは…」
「あ、あたしの事、この人の女だと思ったでしょ?
安心して、それはないから。この人あたしみたいなタイプの女大嫌いだろうし
同じマンションの住人ってだけ。まぁ知り合いではあるけどね、こうやってこの人が泥酔して家に押し込めた回数も数えきれないほどあるの」
ただ、それだけ。と女は言った。
このマンションに暮らしているという事は相当なお金持ちだろう。
どこかのクラブの女かとは思っていたけれど、自分のお店を持っているママなのかもしれない。
「あなたは?こいつの女じゃないとしたら、どうして?」
「あの、あたし…宮沢さんのお店で働いてるんです。
今日はたまたまバーで宮沢さんに会って、飲んでたら宮沢さん寝ちゃって」
それを見て、やっぱりこの人は朝日の女だと思った。
ゆりと別れたとはいえ、こんな綺麗な人と関係がある。
やっぱりあんな言葉信用してはいけないよ…と思った。
女は投げ捨てるように朝日を玄関に置くと、わたしに目をやった。
吸い込まれそうなくらい、目力のある人だった。
「宮沢さんの新しい女?ゆりとは別れたって聞いたけど」
それを否定するように思い切りぶんぶんと頭を振る。
ふぅん、と言って、わたしの顔の目の前までやってきて、じろじろと見つめる。
「あの、あなたは…」
「あ、あたしの事、この人の女だと思ったでしょ?
安心して、それはないから。この人あたしみたいなタイプの女大嫌いだろうし
同じマンションの住人ってだけ。まぁ知り合いではあるけどね、こうやってこの人が泥酔して家に押し込めた回数も数えきれないほどあるの」
ただ、それだけ。と女は言った。
このマンションに暮らしているという事は相当なお金持ちだろう。
どこかのクラブの女かとは思っていたけれど、自分のお店を持っているママなのかもしれない。
「あなたは?こいつの女じゃないとしたら、どうして?」
「あの、あたし…宮沢さんのお店で働いてるんです。
今日はたまたまバーで宮沢さんに会って、飲んでたら宮沢さん寝ちゃって」