【完】さつきあめ
よく考えて見れば、THREEと双葉は今年から原田が担当になった。
朝日が、光の担当のお店からわたしを外したってわけか…。
「そうなの。でも有明が反対したのよ」
「光が?!」
「そう。双葉にはレイがいるからって。
あなたたちシーズンズではえらく仲が悪かったらしいわね。
だから、さくらをレイにあまり近づけたくない、とも言ってた…」
「光が…」
わたしを置いていったくせに、新しい彼女を作ったくせに、何故わたしに優しくするのだろう。
そんな戸惑いの表情に由真はとっくに気づいていた。
「あぁ、有明が大切に思ってる子なんだなぁって思った」
「でも、あたしは光に振られてるし…」
「何かあいつ彼女いるみたいね」
やっぱり由真も知ってた。
他人から聞かされる事によってそれが事実だと再確認すると、更に落ち込む。
あの人、本当に光の彼女なんだなぁって。
「宮沢さんの事は?
毎日のように通い妻してたゆりが最近めっきりマンションに来なくなったから
あたし、宮沢さんに聞いたのよね。そしたら、他に好きな女が出来たってはっきり言うから。
あぁ、って、噂になってたさくらちゃんかなぁとは思ってた」
「あたしは…宮沢さんの事は何とも思っていません。
それに宮沢さんは…あたしの事が好きなんじゃなくて…」
「‘さくら’を好きだと?」