【完】さつきあめ
「…なに?」
「…あんた社長と明日デートだっけ?」
「デートじゃないし!!」
「社長のこと好きなんじゃないの?」
「…まさか、好きなわけないよ。明日は前からの約束というか…事情があって…」
「ならいっか。
あたしの友達が昔双葉で働いてたのね。
その時社長が綾乃へかけてるプレッシャーは半端じゃなかったって。まるで綾乃も社長のために働いてるように見えたって。それであの2人が付き合ってるんじゃないかって噂が一時期たったの」
ちくりと胸に小さな棘が刺さったような痛みがした。
「まさか……綾乃ちゃんって…ああいう人…好きにならないと思う…」
「そう!それなのよね!あたしもお店に入って綾乃さんを見てるうちにそれはないかなぁって思った。まぁただの噂だし、売り上げがある女の子は上層部とデキてるっていわれがちだから。まぁ嘘だと思うよ」
ちくり、またちくり、小さな棘を刺すような鈍い痛み。
小さくともいつかそれがじわじわと広がっていって、いつか自分の深い部分まで浸食していくような黒い感情。
お客さんと笑い合う綾乃の横顔は光になんてちっとも似ていないのに、どこまでも強い2人の瞳が重なるような気がして。
「…あんた社長と明日デートだっけ?」
「デートじゃないし!!」
「社長のこと好きなんじゃないの?」
「…まさか、好きなわけないよ。明日は前からの約束というか…事情があって…」
「ならいっか。
あたしの友達が昔双葉で働いてたのね。
その時社長が綾乃へかけてるプレッシャーは半端じゃなかったって。まるで綾乃も社長のために働いてるように見えたって。それであの2人が付き合ってるんじゃないかって噂が一時期たったの」
ちくりと胸に小さな棘が刺さったような痛みがした。
「まさか……綾乃ちゃんって…ああいう人…好きにならないと思う…」
「そう!それなのよね!あたしもお店に入って綾乃さんを見てるうちにそれはないかなぁって思った。まぁただの噂だし、売り上げがある女の子は上層部とデキてるっていわれがちだから。まぁ嘘だと思うよ」
ちくり、またちくり、小さな棘を刺すような鈍い痛み。
小さくともいつかそれがじわじわと広がっていって、いつか自分の深い部分まで浸食していくような黒い感情。
お客さんと笑い合う綾乃の横顔は光になんてちっとも似ていないのに、どこまでも強い2人の瞳が重なるような気がして。