【完】さつきあめ
「会議とかで深海さんがやり玉にあげられることも、シーズンズがダメだって言われることも、嫌だった。
前までは全然良かったんだけど、それでも俺なんてただの黒服だし、テキトーに仕事してテキトーに給料もらってりゃいいって、でもさくらの担当になってから、それが嫌になった…」
「それって」
「自分が働いてる店は1番になってほしいって思う」
「でも、ONEとシーズンズじゃあシステムも料金形態も全然違うんだよ?」
「それは言い訳だと思う」
「…高橋くんはわたしにどうしてほしいの?」
「俺はさくらに1番になってもらいたい」
「…あたしには…」
「とは言ってもさくらはまだ新人だし、もっと覚えなきゃいけないこともたくさんあるからな!でも俺は自分が担当する女の子は誰だって1番になりたいって思いながら仕事をしてほしい」
「うん…それはそうだよね…」
深海は……深海の気持ちは。
出会った頃から不愛想で口数も多くない深海。
鋭い瞳からは初め優しさは感じられなかった。でも日々を過ごしていくうちに、女の子を守りたい店長だっていうことがわかった。でも深海のやり方は会社的には受け入れられていない。あの日厳しい顔をした光を思い出した。
けれども今思うとシーズンズで皆で働いていたあの日々が1番楽しい毎日だった。
もしも時間が戻せるのなら、わたしは迷わずに選ぶと思う。
深海がいて、あなたたちと笑い合えたこの場所を。
前までは全然良かったんだけど、それでも俺なんてただの黒服だし、テキトーに仕事してテキトーに給料もらってりゃいいって、でもさくらの担当になってから、それが嫌になった…」
「それって」
「自分が働いてる店は1番になってほしいって思う」
「でも、ONEとシーズンズじゃあシステムも料金形態も全然違うんだよ?」
「それは言い訳だと思う」
「…高橋くんはわたしにどうしてほしいの?」
「俺はさくらに1番になってもらいたい」
「…あたしには…」
「とは言ってもさくらはまだ新人だし、もっと覚えなきゃいけないこともたくさんあるからな!でも俺は自分が担当する女の子は誰だって1番になりたいって思いながら仕事をしてほしい」
「うん…それはそうだよね…」
深海は……深海の気持ちは。
出会った頃から不愛想で口数も多くない深海。
鋭い瞳からは初め優しさは感じられなかった。でも日々を過ごしていくうちに、女の子を守りたい店長だっていうことがわかった。でも深海のやり方は会社的には受け入れられていない。あの日厳しい顔をした光を思い出した。
けれども今思うとシーズンズで皆で働いていたあの日々が1番楽しい毎日だった。
もしも時間が戻せるのなら、わたしは迷わずに選ぶと思う。
深海がいて、あなたたちと笑い合えたこの場所を。