何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

最近、授業中によく悠は寝る。一学期の頃から、居眠りしている姿はよく見かけていたけれど、最近その頻度の増加が著しい。

それに、常になんだかだるそうに見えるし、顔色も少し白っぽい。言葉の節々から、覇気も感じられない気がする。

今だって、膝を貸してほとんど一瞬で悠は眠りについてしまったし。

先日、｢最近具合悪そうだから、一度病院へ行ったら？｣と彼に提案したのだけれど。

｢ただの夏休みのボケだから、大丈夫ー｣と軽くあしらわれてしまったのだった。

まあ、本当にそれなら別にいいのだけれど。それにしては睡眠のリズムがちょっとおかし過ぎる気がする。

ーー何かの病気じゃなきゃいいけど。


｢夏休み明けで、ちょっと疲れてるだけ……だよね？｣


私はスヤスヤと気持ちよさそうに眠る、美しい悠の顔を見つめながら、自分に言い聞かせるようにそう呟いたのだった。