何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
*
ガシャーンという耳障りな音が悠の病室中に響いた。私はプリザーブドフラワーを入れていたガラスケースを思わず落としてしまったのだった。
ーー悠が私に放った一言が、あまりにも信じがたくて。
病室には悠のお母さんと奏くんもいた。「大丈夫!? 桜ちゃん怪我してない!?」と、私を気遣う声が聞こえてきたが、それに反応する余裕はなかった。
「ゆ、悠……? 今、なんて……?」
掠れた声で私は問う。ベッドの上で座る悠は、俯いたままで私と目を合わさない。
「ーーだから、もう来ないで欲しいって言ったんだ」
そして、ぼそぼそと冷淡な声で、私にそう言った。今度は空耳じゃなかった。はっきりと聞こえた。ーーもう来ないで欲しいって。
「な、ど、どうして……!? わ、私何かした……?」
昨日までの悠は、私が来ると笑顔で迎えてくれて。楽しく雑談してくれて。帰り際はしんみりしている様子で。
ーーそして「またね」と言ってくれたのに。
「ーー何も。折原さんは何もしてないよ」
「じゃあどうして……!? どうして、急に……」
すると悠は、少し間を置いてから、やはり私と目を合わさずにこう言った。
ガシャーンという耳障りな音が悠の病室中に響いた。私はプリザーブドフラワーを入れていたガラスケースを思わず落としてしまったのだった。
ーー悠が私に放った一言が、あまりにも信じがたくて。
病室には悠のお母さんと奏くんもいた。「大丈夫!? 桜ちゃん怪我してない!?」と、私を気遣う声が聞こえてきたが、それに反応する余裕はなかった。
「ゆ、悠……? 今、なんて……?」
掠れた声で私は問う。ベッドの上で座る悠は、俯いたままで私と目を合わさない。
「ーーだから、もう来ないで欲しいって言ったんだ」
そして、ぼそぼそと冷淡な声で、私にそう言った。今度は空耳じゃなかった。はっきりと聞こえた。ーーもう来ないで欲しいって。
「な、ど、どうして……!? わ、私何かした……?」
昨日までの悠は、私が来ると笑顔で迎えてくれて。楽しく雑談してくれて。帰り際はしんみりしている様子で。
ーーそして「またね」と言ってくれたのに。
「ーー何も。折原さんは何もしてないよ」
「じゃあどうして……!? どうして、急に……」
すると悠は、少し間を置いてから、やはり私と目を合わさずにこう言った。