何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
「ーー心苦しくなってきたんだよ。折原さんは俺に優しくしてくれるのに、俺は折原さんのことを思い出せなくて。すごく酷いことをしている気がしてきて」
「……そ、そんなこと! 私は気にしない……!」
私の記憶がないのは悠の意思じゃない。悠には何一つ非はないのだ。それに最近は、少しずつ以前のように接してくれるようになってきていたし。
私に悠が引け目を感じる必要なんて、ないんだよ。
ーーしかし、悠は。
「ーー俺は気にするんだよ。なんでこんなに良くしてくれる子のことを、俺は忘れちゃってるんだろうって」
「そんなこと仕方ないよ! 事故のせいで、記憶がなくなってるだけなんだから!」
「記憶をなくす前の俺は、折原さんを利用してるような酷いやつなんじゃないかとすら、思えてきた」
「そんなことないよ! 悠は、そんな人じゃ……」
「もう辛いんだよ! 分かってくれよ!」
怒鳴り声で私の言葉を遮った悠。彼は血走った目で、私を睨みつけていた。
ーー怒鳴られるのも、睨まれるのも初めてだった。大好きで、優しい悠にそんなことをされるのは。
あまりに受け入れ難いことだった。私の頭は理解が追いつかず、呆然と立ちつくしてしまった。
「悠……?」
「折原さんといると苦しいんだよ……。俺をもう、解放してくれよ……」
「……そ、そんなこと! 私は気にしない……!」
私の記憶がないのは悠の意思じゃない。悠には何一つ非はないのだ。それに最近は、少しずつ以前のように接してくれるようになってきていたし。
私に悠が引け目を感じる必要なんて、ないんだよ。
ーーしかし、悠は。
「ーー俺は気にするんだよ。なんでこんなに良くしてくれる子のことを、俺は忘れちゃってるんだろうって」
「そんなこと仕方ないよ! 事故のせいで、記憶がなくなってるだけなんだから!」
「記憶をなくす前の俺は、折原さんを利用してるような酷いやつなんじゃないかとすら、思えてきた」
「そんなことないよ! 悠は、そんな人じゃ……」
「もう辛いんだよ! 分かってくれよ!」
怒鳴り声で私の言葉を遮った悠。彼は血走った目で、私を睨みつけていた。
ーー怒鳴られるのも、睨まれるのも初めてだった。大好きで、優しい悠にそんなことをされるのは。
あまりに受け入れ難いことだった。私の頭は理解が追いつかず、呆然と立ちつくしてしまった。
「悠……?」
「折原さんといると苦しいんだよ……。俺をもう、解放してくれよ……」