何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
*
病院を出たあと、私が向かったのは学校近くのファーストフード店。
実は、もう少しで定期テストがあるのだけど、悠のことでまったく勉強に身が入っていない私を見かねて、詩織と加奈ちゃんがテストの要点を教えてあげる、と誘ってくれたのだ。
悠が入院してからというもの、家では全く勉強していないし、授業中も上の空だったので、ありがたいことこの上ない。持つべきものは友達だなあ。
ーーと、思っていた私だったのだけど。
「桜ー! 全然頭に入ってないでしょ!?」
「ーーはっ」
半ばふざけながら口を尖らせだ詩織にそう言われ、ぼけーっとしていた私はやっと我に返る。
「もう、ほんとにヤバいよ? テストすぐなのにさ」
「はは……」
やっぱり、悠のことで頭がいっぱいで、勉強に身が入らない。テーブルにノートを形だけ広げ、ポイントを説明してくれている詩織の言葉をただ聞き流してしまっていた。
すると、詩織の隣に座り、私の教科書の重要な箇所にマーカーしてくれていた加奈ちゃんが、苦笑を浮かべた。
「まあまあ、詩織。しょうがないじゃんか。桜っちは今大変な時なんだしさ。今回のテストはさ、赤点回避して追試にならなければいいんじゃないのー?」
「うーん、それもそうか。桜は頭いいっぽいし、ちょいもったいないけどなあ」
「ーーいや、別に頭は良くないけど私」
病院を出たあと、私が向かったのは学校近くのファーストフード店。
実は、もう少しで定期テストがあるのだけど、悠のことでまったく勉強に身が入っていない私を見かねて、詩織と加奈ちゃんがテストの要点を教えてあげる、と誘ってくれたのだ。
悠が入院してからというもの、家では全く勉強していないし、授業中も上の空だったので、ありがたいことこの上ない。持つべきものは友達だなあ。
ーーと、思っていた私だったのだけど。
「桜ー! 全然頭に入ってないでしょ!?」
「ーーはっ」
半ばふざけながら口を尖らせだ詩織にそう言われ、ぼけーっとしていた私はやっと我に返る。
「もう、ほんとにヤバいよ? テストすぐなのにさ」
「はは……」
やっぱり、悠のことで頭がいっぱいで、勉強に身が入らない。テーブルにノートを形だけ広げ、ポイントを説明してくれている詩織の言葉をただ聞き流してしまっていた。
すると、詩織の隣に座り、私の教科書の重要な箇所にマーカーしてくれていた加奈ちゃんが、苦笑を浮かべた。
「まあまあ、詩織。しょうがないじゃんか。桜っちは今大変な時なんだしさ。今回のテストはさ、赤点回避して追試にならなければいいんじゃないのー?」
「うーん、それもそうか。桜は頭いいっぽいし、ちょいもったいないけどなあ」
「ーーいや、別に頭は良くないけど私」