何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
*
「おはよ、桜」
悠の病室に入ると、先に見舞いに訪れていた美香が笑顔で出迎えてくれた。
美香とは、出会った頃はいろいろあったけれど、この7年間は眠った悠を見守る同士ということもあって、すごく仲良くなった。
「おはよー」
「あ、ねえねえ。今日お見舞いのあとパンケーキ食べに行かない? 近くにできたんだよー、おいしいとこ」
「えー、私はいいけどさ。美香ダイエット中ってこの前言ってなかったっけ?」
「そんなこと言ったけ? あ、言った気がしてきたなあ。……一旦取り消し! ダイエットは明日からで!」
「意思弱っ。まあ美香は痩せる必要ないしね。むしろもうちょい太んなよ〜」
「それは嫌! でも今日は食べる!」
ーーなんて、軽い冗談を言い合える言い合えるほどの仲だ。
そんな話をしながらも、私は悠が寝ているベッドの傍らの出窓に、持ってきた一輪の花を置く。
昔はもっと大きな花をにしていたけれど、あっという間に置き場所が無くなってしまいそうになったので、途中から毎日一輪ずつ持ってくることにしていた。
そして持ってきた花は、硝子の花瓶に毎日刺していくという形を取っている。
「今日は青い花かー、いい色だね」
「うん、ブルーローズ」
「おはよ、桜」
悠の病室に入ると、先に見舞いに訪れていた美香が笑顔で出迎えてくれた。
美香とは、出会った頃はいろいろあったけれど、この7年間は眠った悠を見守る同士ということもあって、すごく仲良くなった。
「おはよー」
「あ、ねえねえ。今日お見舞いのあとパンケーキ食べに行かない? 近くにできたんだよー、おいしいとこ」
「えー、私はいいけどさ。美香ダイエット中ってこの前言ってなかったっけ?」
「そんなこと言ったけ? あ、言った気がしてきたなあ。……一旦取り消し! ダイエットは明日からで!」
「意思弱っ。まあ美香は痩せる必要ないしね。むしろもうちょい太んなよ〜」
「それは嫌! でも今日は食べる!」
ーーなんて、軽い冗談を言い合える言い合えるほどの仲だ。
そんな話をしながらも、私は悠が寝ているベッドの傍らの出窓に、持ってきた一輪の花を置く。
昔はもっと大きな花をにしていたけれど、あっという間に置き場所が無くなってしまいそうになったので、途中から毎日一輪ずつ持ってくることにしていた。
そして持ってきた花は、硝子の花瓶に毎日刺していくという形を取っている。
「今日は青い花かー、いい色だね」
「うん、ブルーローズ」