何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
学校での友達作りは、最初が肝心なのである。そしてその「最初」を逃してしまうと、巻き返しはなかなか難しいシビアな世界なんだ。

私が風邪が治って登校した頃には、すでに女子グループのメンバーは固定されていた。そう、溢れたものが入る余地などないほどに。

また、不幸なことに、この学校に私と同じ中学出身の人は一人もいない。

中学卒業と同時に、母が転職したためこの街に引っ越してきたばかりだからだ。

そして2つ目はーー私の外見だろう。

私の母も、亡くなった父も純日本人だ。

しかし、母の出身地の秋田県は、青やヘーゼル色の瞳の人の数が、ほかの地域に比べて多いらしい。

東北地方は古来より、大陸の血が混ざる機会が多かったからとか。

母はそんな東北人の特徴が色濃かった。瞳はぱっと見で分かる淡いグレーだし、髪の毛も明るい栗色。

で、私はその血をバッチリ受け継いでしまったというわけ。

目立つから嫌だった時期もあったけれど、美しい母譲りの瞳と髪を、今の私は変えるつもりはない。

例え、友達作りの足枷になったとしても。

そして切れ長で目つきの悪い瞳に、やたらと白い肌。

たぶんクラスメイトの人間は、カラコンを入れて髪を脱色したヤンキーだと私のことを思っているだろう。
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