何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
中学生の頃は、小学生からの友達ばっかりだったので、見た目で敬遠されることはなかったんだけど。

慣れている人達ばっかりだったから、緊張して上手く話せないということもなかったし。

まあ、時々男子にからかわれることはあったけどね。それでも仲のいい女子がいたから、別にそんなに気にならなかった。

だけど、高校では、みんながみんな私とは初対面。

きつそうに見える外見と口下手さから、「折原さんは1人が好きな人なんだろう」的な、そんな印象を与えているのではないかと思う。

いやいや、私だって友達が欲しいんだけどなあ。1人でもいいからさ。

だけど、人見知りで話すのも苦手で、照れ屋な私が、よく知らないクラスメイト達にそんなこと言える訳もなく。

私は「好きで孤独でいる」という体で、クラスに存在していた。

高校生になってみんな大人になったのか、ぼっちに対していじめがないのはよかったけれど。


ヤンキー女(違うけど)の数少ない友達が、公園をさまようかわいそうな子猫だなんて、昭和のメロドラマみたいで、滑稽だ。

こんな姿クラスメイトなんかに見られたら、きっと笑われるに決まってる。ーー絶対にバレないように気をつけなきゃ、うん。


「おねーちゃーん! おはよー! トラ子もおはよー!」
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