何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
宿題を早めに終わらせるために集まった私たちだったけれど、夏休みが始まったことへの嬉しさと、危機感のなさからほとんど進んでいなかった。


「とりあえずさー、今日はかき氷食べに行こうよ。駅前においしそうなとこ、この前できたじゃん?」

「おー、いいねいいね!」

「涼しくなれそうだね」


詩織の提案に、加奈ちゃんが目を輝かせた。私もうきうきで乗っかる。

かき氷かあ。たまにコンビニで買うけど、お店のかき氷はふわっとしてて、クリームやフルーツも乗っていて、全然レベルが違う。

ーー中井くんとも一緒に行ってみたいな。

これから40日近くある夏休み。詩織や加奈ちゃんとも、中井くんとも、たくさん一緒に遊んで、夏を満喫したいなあ。

などと、今後の夏休みのことを考えて私が胸を踊らせていると。


「あ、かき氷もいいけどさー、明日のお祭り一緒に行かない? 」

「学校近くでやるやつだよね? 行きたーい! 行こ行こ!」


今度は加奈ちゃんの誘い。間髪を入れずに、詩織が手を挙げる。

普通なら、私も喜んで誘いに乗るところ。ーーだけど。

明日のお祭りには、すでに中井くんと一緒に行く約束をしていた。
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