【アナザードア】

転校生

太陽と美鈴は幼稚園の頃からの幼なじみである。

面倒見の良い美鈴は何かと太陽の生活面を注意して来るので、太陽に取って今では第二の母親的な存在となっている。

しかし、当の太陽に取ってはそれが少しうっとおしい部分であるのも確かだったが、強気な美鈴の前では何故か大人しく言う事を聞いてしまうのだった。


ホームルームも終わりに近づくと教室のドアが開き、見知らぬ男子生徒が入って来た。

それを見てクラス全体がざわつき始める。


「転校生かな?」

「ちょっとイケメンじゃない?」


後藤先生がその男子生徒を自分の側に立たせる。


「え~、みんな静かに。今日からみんなと一緒に勉強する事になった、『羽崎司(はねさきつかさ)』君だ。じゃ羽崎君、自己しようか。」

「羽崎司と言います。宜しくお願いします。」


司はそれだけ言うと押し黙ってしまった。


「ははっ・・・羽崎君は少し緊張しているみたいだな。まぁ無理も無い。よし、席はどうしようか?う~ん、そうだ!太陽の横にしよう!」

「えっ!俺の横?」

「そうだ、太陽。羽崎君に色々学校の事を教えてやってくれよ。それに転校生の面倒を見てればお前の授業中の居眠りも減るかも知れんしな!」


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