アイドル物語  ~あなたはどっちを選ぶ?~



会場に入ると、たくさんのフラッシュがたかれ、質問をされた。

「なぜ、今の時期にマイラバーズの新メンバー加入を決めたのでしょうか?」

「マイラバーズの二人との関係はどうですか?」

「これからの継美君の目標を教えてください‼️」

などなど……とにかくたくさんの質問をされ、どれから答えていったらいいか分からず、困っていると、
二人が私の代わりに答えてくれた。

「なぜ、この時期にマイラバーズの新メンバー加入を決めたのかという質問については、私、涼太がお答えします。それは、マイラバーズに新しい変化をもたらしたいという私達二人の思いが一致したのと、もうひとつは最初に継美さんのパフォーマンスを見たときに、私達は絶対このグループに入ってほしい、必要だと思いましたので、二人で必死に継美さんを説得してマイラバーズに加入していただきました。」

「続いて、ボク達マイラバーズとの関係は、どうなのかという質問については、ひかるがお答えします。最初、継美君は敬語を使っていましたが、今では敬語もぬけて良い関係を築けていると思います。どうかな、継美君?」

ひかる君が困っているような顔で突然、私に話を振ってきたので、あわてて答えた。

「はい、僕もひかる君が言ったように、最初は緊張をして敬語を使っていましたが、ひかる君と涼太君が優しく接してくれたおかげで、今では敬語もぬけて良い関係が築けています。」

私は、あわてているのが、バレないように笑顔で答えた。そしたら、その場にいる全員(特に女性)が、固まってしまった。

(私の笑顔が不細工すぎて、固まったのかなぁ?ヤバい!どうしよう!?とりあえず、次の質問にいこう‼️)

私は、とりあえず頭を切り替えて次の質問にいくことにした。

「これからの目標についてお答えします。まず、僕は早く二人に追いつけるように、たくさんお仕事を頑張りたいです。そして、皆様に“マイラバーズには、継美君の存在が必要だね”と言ってもらえるようになることです。」

私は、力強くマイクを持って大きな声で答えた。しかし、力が入りすぎて、思わず立ち上がってしまった。座ってから少し落ち込んでいると二人と目が合った。二人は、まるで今のその答え方良かったよと言うように、こちらに向かってニコッと微笑んでくれ、私はそれを見てほっとした。
それから、会見は1時間で終わるはずが、2時間もオーバーしてしまい、その間、ずっと質問されっぱなしだった。
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