純真~こじらせ初恋の攻略法~
藤瀬くんの言葉は、私の胸に小さな期待を生んだ。
過去と現在、もう一度藤瀬くんと思いが通い合うことがあったとしても、結果は同じにはならないのではないか。
そんな淡い期待。
「ひょっとして、不機嫌なんじゃなくて心配してくれてるの?」
ついつい敬語を忘れて前のめりに聞いてしまった。
「だったら悪い?」
そう言われた瞬間に、真っ白な矢がドスッと私の胸を打ち抜いた。
同じ人に二度も打ち抜かれるなんて、どうかしている。
拗ねている上目遣いなんて反則じゃないか。
今さらながら、この胸の高鳴りがくすぐったくてしょうがない。
この感覚は昔と何一つ変わらない。
恋に恋する年頃の恋だった中学生の私でも、しっかりと本物の恋を見つけていたんだ。
そう思うと、やはりこの気持ちはそう簡単に消せるものではないし、きっともう消えてくれないんだろうと確信した。
「悪くないですけど……考えすぎ」
拳でニヤついた口元を隠してそう言った私を、藤瀬くんはじろりと睨んだ。
「アンタは自分で危機管理できない人だからさ。こうやって細かいこと言われてれば、少しは頭に入るだろ」
「まだ言ってる……」
谷脇さんとの事を言ってるんだろうが、そんな嫌味も今の私にしてみれば心地の良いものに聞こえた。
過去と現在、もう一度藤瀬くんと思いが通い合うことがあったとしても、結果は同じにはならないのではないか。
そんな淡い期待。
「ひょっとして、不機嫌なんじゃなくて心配してくれてるの?」
ついつい敬語を忘れて前のめりに聞いてしまった。
「だったら悪い?」
そう言われた瞬間に、真っ白な矢がドスッと私の胸を打ち抜いた。
同じ人に二度も打ち抜かれるなんて、どうかしている。
拗ねている上目遣いなんて反則じゃないか。
今さらながら、この胸の高鳴りがくすぐったくてしょうがない。
この感覚は昔と何一つ変わらない。
恋に恋する年頃の恋だった中学生の私でも、しっかりと本物の恋を見つけていたんだ。
そう思うと、やはりこの気持ちはそう簡単に消せるものではないし、きっともう消えてくれないんだろうと確信した。
「悪くないですけど……考えすぎ」
拳でニヤついた口元を隠してそう言った私を、藤瀬くんはじろりと睨んだ。
「アンタは自分で危機管理できない人だからさ。こうやって細かいこと言われてれば、少しは頭に入るだろ」
「まだ言ってる……」
谷脇さんとの事を言ってるんだろうが、そんな嫌味も今の私にしてみれば心地の良いものに聞こえた。