純真~こじらせ初恋の攻略法~
公園を出て夕方来た道を戻る藤瀬くんは、早くこの場から立ち去りたいようだ。
「どこまで行くの?」
どんどん進む藤瀬くんについて行きながら、私は不安げに聞いてみた。
いくら友達の協力のおかげで二人にしてもらったとはいえ、何も言わず勝手に公園を後にしてしまったことに気が引けてしまう。
後ろ髪引かれ始めた私の背後で、ドォンと大きな花火の音が響いた。
その音が合図となり、次々と色鮮やかな花火が打ちあがっていく。
「きれい……」
先ほどの不安なんてどこかに飛んで行ってしまって、私は夜空に浮かぶ大輪を眺めた。
「どうしても橘と二人で花火を見たかったんだ。だからアイツらには一人ずつ消えてもらうように頼んでた」
「……私も」
考えていたことが同じで、私達はプッと吹き出してしまう。
「私も今日藤瀬くんに告白しようと思ってた。浴衣も選んでもらって、少しでも藤瀬くんに意識してもらおうって作戦だったの」
「橘を見た瞬間から、今日はヤバいと思ってたよ。可愛すぎだったから。作戦、大成功だな」
ほんのり色付いたように見える藤瀬くんの頬が、ゆるりと緩んだ。
「橘……」
「なぁに?」
「俺の……彼女になってくれる?」
いつかこんな日が来ることを夢見てたけれど。
『彼女』という響きは、なんて甘いのだろう。
「どこまで行くの?」
どんどん進む藤瀬くんについて行きながら、私は不安げに聞いてみた。
いくら友達の協力のおかげで二人にしてもらったとはいえ、何も言わず勝手に公園を後にしてしまったことに気が引けてしまう。
後ろ髪引かれ始めた私の背後で、ドォンと大きな花火の音が響いた。
その音が合図となり、次々と色鮮やかな花火が打ちあがっていく。
「きれい……」
先ほどの不安なんてどこかに飛んで行ってしまって、私は夜空に浮かぶ大輪を眺めた。
「どうしても橘と二人で花火を見たかったんだ。だからアイツらには一人ずつ消えてもらうように頼んでた」
「……私も」
考えていたことが同じで、私達はプッと吹き出してしまう。
「私も今日藤瀬くんに告白しようと思ってた。浴衣も選んでもらって、少しでも藤瀬くんに意識してもらおうって作戦だったの」
「橘を見た瞬間から、今日はヤバいと思ってたよ。可愛すぎだったから。作戦、大成功だな」
ほんのり色付いたように見える藤瀬くんの頬が、ゆるりと緩んだ。
「橘……」
「なぁに?」
「俺の……彼女になってくれる?」
いつかこんな日が来ることを夢見てたけれど。
『彼女』という響きは、なんて甘いのだろう。