純真~こじらせ初恋の攻略法~
私も負けじと彼に冷ややかな視線を送り返した。
できることならば知りたくなかった感情だ。
自分のやったことを、こんな風に冷たく言い放たれるなんて思ってもみなかった。
「へぇ、知ってんだ?悪因悪果ってことなのかな」
せせら笑うように言った一言に、私は思い切りデスクを殴りつけた。
「その言葉、意味わかって使ってる?」
右の拳がじんじんと痺れるように痛むが、そんなことには構ってられない。
人に対してこんなに怒りを覚えたのは初めてだ。
「知らずに使うほど馬鹿じゃないんだけど」
私の怒りを真正面から受け止め、怯むことなく応戦してくる藤瀬くんの表情は、まるで知らない人のよう。
その時初めて私の仲に疑問が湧いた。
藤瀬くんのこの表情……ひょっとして私は昔、藤瀬くんを傷付けた……?
ううん、そんなことあるはずがない。
私の初恋は藤瀬くんで、私は藤瀬くんの裏切りを知るまで、藤瀬くんだけを思ってきた。
確かに別れを切り出したのは私の方からだけど、そもそも私を傷付けたのは藤瀬くんだ。
あれは当然の別れだったはずなの。
「ふざけないでよ……」
自分の声とは思えないほど低い声が、空気をピリピリと震わせた。
できることならば知りたくなかった感情だ。
自分のやったことを、こんな風に冷たく言い放たれるなんて思ってもみなかった。
「へぇ、知ってんだ?悪因悪果ってことなのかな」
せせら笑うように言った一言に、私は思い切りデスクを殴りつけた。
「その言葉、意味わかって使ってる?」
右の拳がじんじんと痺れるように痛むが、そんなことには構ってられない。
人に対してこんなに怒りを覚えたのは初めてだ。
「知らずに使うほど馬鹿じゃないんだけど」
私の怒りを真正面から受け止め、怯むことなく応戦してくる藤瀬くんの表情は、まるで知らない人のよう。
その時初めて私の仲に疑問が湧いた。
藤瀬くんのこの表情……ひょっとして私は昔、藤瀬くんを傷付けた……?
ううん、そんなことあるはずがない。
私の初恋は藤瀬くんで、私は藤瀬くんの裏切りを知るまで、藤瀬くんだけを思ってきた。
確かに別れを切り出したのは私の方からだけど、そもそも私を傷付けたのは藤瀬くんだ。
あれは当然の別れだったはずなの。
「ふざけないでよ……」
自分の声とは思えないほど低い声が、空気をピリピリと震わせた。