純真~こじらせ初恋の攻略法~
「もともとセクハラやらなんやらで、女性社員からの信頼はゼロな人間だったんだ。茉莉香のことも間違いなく自分のテリトリーで誘うだろうと思ってたから、他の社員やこの秘書に聞き込んだんだよ」
「そうだったの……」
私のために聞き込んでくれたなんて、そんなこと何も知らなかった。
「前からこの秘書からはアピールされてた。ホテルの名前と部屋番号を聞き出す代わりに一度二人で食事してくれって言われて……。緊急事態だったし、何でもいいから教えてくれって言ってしまった」
「藤瀬くん……」
私は何でも簡単に考えすぎだ。
藤瀬くんがあの場に来てくれたことを、まるで当たり前のことのように感じていたけれど、それは全く当然のことではなかった。
私のために後先考えずに奮闘してくれた藤瀬くんがいてくれたからこそ。
私は無事にここにいることができるんだ。
そんなことも知らずに私は。
「ごめんなさい……」
先程までの怒りはどこへやら。
腰をかがめて藤瀬くんの首筋にギュッと抱きついた。
「いろいろ面倒くさい女で、ごめん」
面倒くさいし怒りやすいし。
他の男性には一度も感じたことのなかった感情の起伏を、藤瀬くんにだけはあからさまにしてしまう。
それだけ甘えているということかもしれないけど、それだけ好きだということでもあるんだ。
その気持ちを込めて腕に力を込めると、藤瀬くんは私の背中と腰に手を回してくれた。
「そうだったの……」
私のために聞き込んでくれたなんて、そんなこと何も知らなかった。
「前からこの秘書からはアピールされてた。ホテルの名前と部屋番号を聞き出す代わりに一度二人で食事してくれって言われて……。緊急事態だったし、何でもいいから教えてくれって言ってしまった」
「藤瀬くん……」
私は何でも簡単に考えすぎだ。
藤瀬くんがあの場に来てくれたことを、まるで当たり前のことのように感じていたけれど、それは全く当然のことではなかった。
私のために後先考えずに奮闘してくれた藤瀬くんがいてくれたからこそ。
私は無事にここにいることができるんだ。
そんなことも知らずに私は。
「ごめんなさい……」
先程までの怒りはどこへやら。
腰をかがめて藤瀬くんの首筋にギュッと抱きついた。
「いろいろ面倒くさい女で、ごめん」
面倒くさいし怒りやすいし。
他の男性には一度も感じたことのなかった感情の起伏を、藤瀬くんにだけはあからさまにしてしまう。
それだけ甘えているということかもしれないけど、それだけ好きだということでもあるんだ。
その気持ちを込めて腕に力を込めると、藤瀬くんは私の背中と腰に手を回してくれた。