純真~こじらせ初恋の攻略法~
「やりたいことや興味のあることがあると選択肢も広がるんだろうけどな」

「やりたいこと……かぁ」

「進路を決めるのも大事だけどさ、興味が持てるものを探すことも大切だよな。勉強の合間にでも、いろんなジャンルの本を読んでみようと思ってんだ」

将来のことなんて漠然としたイメージでしかなかった私と比べて、藤瀬くんは自分の将来を見付けようと、しっかりいろんなことを考えていたんだ。

この会話が私の起爆剤となり、本格的に自分の将来について考えるようになった。

セーラー服の上から防寒着を着ようかとしていた冬の始まりのこと。

私はとうとう自分の進路を決める事ができた。

「藤瀬くん、私、志望校決めたよ」

塾に向かう道中、私は少し浮かれて藤瀬くんに報告した。

「エクステリアプランナーになりたいの」

「エクス……?なにそれ」

「エクステリアプランナー。おうちの外観とかお庭とかアプローチとか、外観空間をデザインしたりする仕事なの。お庭がめちゃめちゃ綺麗なお家とか最近多いじゃない?そういうのを自分の手で作りたいんだ」

この夢に辿り着いたのは、本当に偶然の出会いだった。

お父さんの会社の人が新築の家を建てたからと、ホームパーティーに御呼ばれした時のことだ。

ガーデニングが趣味という奥さんが、自慢のお庭を召せてくれた時、あまりにも素敵に作り上げられた庭に衝撃が走った。

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