純真~こじらせ初恋の攻略法~
私と藤瀬くんの空間だけ、時間がゆっくりと流れているように感じる。
それほどまでに私の頭は真っ白で、全く働いていないのだ。
私達はもう、あの頃のように子供ではない。
ここまで話せば、自分達がどれほど愚かだったのかに気付く。
「私と田原くんは、今も昔も友達で、それ以上でもそれ以下でもないわ」
昔の私の心は藤瀬くんでいっぱいで、他の誰も入るスキなんてなかった。
無意識にそれは時がたっても変わることがなく、私はいつでもどこでも藤瀬くん一色。
囚われすぎて、別れた後も、まともな恋愛すらできなかったというのに、私が藤瀬くんと田原くんを天秤に掛けられるはずがないじゃないか。
「俺……茉莉香と永久が裏で付き合ってるって聞いたんだ。ちょうどそのころから俺、周りのことを考えられなくなってしまった時期で……」
今そんなことを言われれば、それが嘘か本当かの判断くらいできるだろう。
しかしあの頃の私達はあまりにも子ども過ぎた。
「私も自分のことばかりで、藤瀬くんの変化に気付くことができなかった。だから藤瀬くんが本当は私ではなくて自分と付き合ってるんだって人の言葉に惑わされて……」
正しい判断なんて、できなかったんだ。
「私達、本当は……」
「こんなに拗れる必要性なんてなかったのか?」
湧き出た不安に付け込まれ、私達は簡単に他人の思惑にまんまと乗せられて。
「お互いを信じて向き合ってさえいれば」
「あんなに苦しい思いをしないですんだかもしれないのに」
絡みに絡んだ誤解という糸が解けた時。
私達はどちらからともなく手を握り合っていた……。
それほどまでに私の頭は真っ白で、全く働いていないのだ。
私達はもう、あの頃のように子供ではない。
ここまで話せば、自分達がどれほど愚かだったのかに気付く。
「私と田原くんは、今も昔も友達で、それ以上でもそれ以下でもないわ」
昔の私の心は藤瀬くんでいっぱいで、他の誰も入るスキなんてなかった。
無意識にそれは時がたっても変わることがなく、私はいつでもどこでも藤瀬くん一色。
囚われすぎて、別れた後も、まともな恋愛すらできなかったというのに、私が藤瀬くんと田原くんを天秤に掛けられるはずがないじゃないか。
「俺……茉莉香と永久が裏で付き合ってるって聞いたんだ。ちょうどそのころから俺、周りのことを考えられなくなってしまった時期で……」
今そんなことを言われれば、それが嘘か本当かの判断くらいできるだろう。
しかしあの頃の私達はあまりにも子ども過ぎた。
「私も自分のことばかりで、藤瀬くんの変化に気付くことができなかった。だから藤瀬くんが本当は私ではなくて自分と付き合ってるんだって人の言葉に惑わされて……」
正しい判断なんて、できなかったんだ。
「私達、本当は……」
「こんなに拗れる必要性なんてなかったのか?」
湧き出た不安に付け込まれ、私達は簡単に他人の思惑にまんまと乗せられて。
「お互いを信じて向き合ってさえいれば」
「あんなに苦しい思いをしないですんだかもしれないのに」
絡みに絡んだ誤解という糸が解けた時。
私達はどちらからともなく手を握り合っていた……。