純真~こじらせ初恋の攻略法~
サッと渡してもらったメニューの中から『とりあえずのビール』を選ぶと、入り口近くの同級生が注文してくれた。
「本当に藤瀬くんと一緒に来てくれたんだね」
私の前に料理の取り皿と割りばしをセットしてくれながらそう言った。
「本当だね。茉莉香と藤瀬が一緒にいるところなんて、二度と見る事ができないと思ってたから本当に嬉しい」
亜弓も本当に喜んでくれているのがわかる。
あんなことがなければ、この二人がやきもきすることもなかったのだと思うと、なんだか私の方が申し訳なくなってくる。
私にこんな思いをさせた張本人はいったいどんな顔をしているのだろう。
恐る恐る周りを確認するけれど。
「いない……?」
由加里の姿はどこにもなかった。
「ねえ、由加里は来てないの?」
奈緒に小声でそう聞いたつもりだったのだけれど、奈緒の横に座っていた由加里の親友に聞こえたらしく、彼女は私の方に体の向きを変えた。
「茉莉香、由加里を探してたの?」
「うん、まあね」
彼女が考えているような和やかな理由で探していたわけじゃないのだが。
私は誤魔化すように返事をしたが、彼女には私の微妙な心情などわかるはずもない。
「由加里ね、本当は参加する予定だったんだけど、急に来れなくなったのよ」
「来れなくなった?」
もしかして私と藤瀬くんが参加するのを聞きつけて、顔を合わせ辛くなったのだろうか。
「本当に藤瀬くんと一緒に来てくれたんだね」
私の前に料理の取り皿と割りばしをセットしてくれながらそう言った。
「本当だね。茉莉香と藤瀬が一緒にいるところなんて、二度と見る事ができないと思ってたから本当に嬉しい」
亜弓も本当に喜んでくれているのがわかる。
あんなことがなければ、この二人がやきもきすることもなかったのだと思うと、なんだか私の方が申し訳なくなってくる。
私にこんな思いをさせた張本人はいったいどんな顔をしているのだろう。
恐る恐る周りを確認するけれど。
「いない……?」
由加里の姿はどこにもなかった。
「ねえ、由加里は来てないの?」
奈緒に小声でそう聞いたつもりだったのだけれど、奈緒の横に座っていた由加里の親友に聞こえたらしく、彼女は私の方に体の向きを変えた。
「茉莉香、由加里を探してたの?」
「うん、まあね」
彼女が考えているような和やかな理由で探していたわけじゃないのだが。
私は誤魔化すように返事をしたが、彼女には私の微妙な心情などわかるはずもない。
「由加里ね、本当は参加する予定だったんだけど、急に来れなくなったのよ」
「来れなくなった?」
もしかして私と藤瀬くんが参加するのを聞きつけて、顔を合わせ辛くなったのだろうか。