純真~こじらせ初恋の攻略法~
一大決心というには、14年の人生では大げさかもしれない。
けれど今までで一番の緊張と覚悟を持ってこの日を迎えたのだ。
女子3人で前もって可愛らしい浴衣を買いに行き、少しでも大人びて見えるようにうっすらと化粧を施す。
浴衣に似合うヘアアレンジを調べて、慣れない手つきで髪を結った。
履きなれない下駄に苦戦しながら待ち合わせ場所に向かうと、藤瀬くんは驚きの表情をしながらも笑顔で迎えてくれた。
その笑顔は1年前よりも男の子らしく見える。
花火が打ちあがるまでの時間、始めは6人仲良く出店を回っていたのだが、女友達が気を利かせてくれたのか、人の多さに乗じて自然な形で一組ずつ逸れていく。
最終的には私と藤瀬くんの二人になってしまった。
「ダメだ。アイツら電話にでねぇ。コールに気付いてねぇのかな」
耳に当てていた携帯をポケットにしまうと、藤瀬くんは困ったようにガシガシと頭をかいた。
「この年で迷子になるなんてことはないだろうから心配はしねぇけど……。橘は俺と二人で大丈夫?」
眉を下げて心配そうに聞いてきた藤瀬くんに、私は笑顔で「大丈夫だよ」と即答した。
私からしてみれば、この状況は願ったり叶ったりなのだ。
始めから告白するときには二人きりにならなければと思っていたし。
その計画が早まり、二人きりで花火を見る事ができるなんて。
最高のお膳立てじゃないか。
けれど今までで一番の緊張と覚悟を持ってこの日を迎えたのだ。
女子3人で前もって可愛らしい浴衣を買いに行き、少しでも大人びて見えるようにうっすらと化粧を施す。
浴衣に似合うヘアアレンジを調べて、慣れない手つきで髪を結った。
履きなれない下駄に苦戦しながら待ち合わせ場所に向かうと、藤瀬くんは驚きの表情をしながらも笑顔で迎えてくれた。
その笑顔は1年前よりも男の子らしく見える。
花火が打ちあがるまでの時間、始めは6人仲良く出店を回っていたのだが、女友達が気を利かせてくれたのか、人の多さに乗じて自然な形で一組ずつ逸れていく。
最終的には私と藤瀬くんの二人になってしまった。
「ダメだ。アイツら電話にでねぇ。コールに気付いてねぇのかな」
耳に当てていた携帯をポケットにしまうと、藤瀬くんは困ったようにガシガシと頭をかいた。
「この年で迷子になるなんてことはないだろうから心配はしねぇけど……。橘は俺と二人で大丈夫?」
眉を下げて心配そうに聞いてきた藤瀬くんに、私は笑顔で「大丈夫だよ」と即答した。
私からしてみれば、この状況は願ったり叶ったりなのだ。
始めから告白するときには二人きりにならなければと思っていたし。
その計画が早まり、二人きりで花火を見る事ができるなんて。
最高のお膳立てじゃないか。