純真～こじらせ初恋の攻略法～
「昔はどんな恋愛してたんだろうね？」

ちょっと真鍋さん。

それを……私に聞いちゃいますか……。

「確かに掴みどころないもんね。軽いのか硬いのかわっかんない」

美海さんはそう言って唐揚げを口に放り込んだ。

「藤瀬くんは本当に謎だよねぇ」

「一時期は結花さんと噂になりましたよね？」

「え……？」

藤瀬くんと真鍋さんが？

「あれはたんに私達が一緒にいる時間が長いってだけでしょ？きっと次は橘さんが噂の相手になるわよ」

「そうなるかも。確か二人って同い年だよね？」

美海さんの問いかけに、私と藤瀬くんが同級生で同じ中学校出身である所までを知っている真鍋さんは、きゅっと口を噤んだ。

余計なことは言わない。

そういう彼女の性格がとても好きだ。

そんな真鍋さんから、美海さんは本当に性格のいい明るい女性だと聞いた。

だったら美海さんには話してもいいのかもしれない。

そう判断した私は、「実は……」と真鍋さんに話したことをそのまま美海さんにも伝えた。

「えっ……！」

思わず大きな声が出そうになったのか、むぐっと堪えてくれた。

「まさか同じ中学校だったなんて、すっごい偶然。これで2人がカレカノだったーなんてエピソードがあれば、運命の再会だよね」

興奮気味だが小声を忘れない美海さんの言葉に、私はビクンと過剰反応をしてしまったのかもしれない。

真鍋さんと美海さんは、大きく目を見開いて私を見つめた。
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