純真~こじらせ初恋の攻略法~
先に歩く藤瀬くんの背中を一歩下がって見つめながら歩く。
すっかり大きく逞しくなったけれど、背中の形や歩き方は昔と変わっていない。
忘れたはずだったのに鮮明に思い出すあのころの後ろ姿は、昔の私の心まで思い出させてしまいそうで怖くなった。
「なんで?」
ふと声をかけられたけれど、なんのことを言っているのか理解できない。
「なんで隣、歩かないわけ?」
「ああ……」
なんだ、そのことか。
てっきり何か昔のことでも聞かれるのかと思ってしまった。
「特に理由はないです……」
あの頃は当たり前だった藤瀬くんの隣なのに、今では私の足を竦ませる場所になっているようだ。
「横に来てもらわないと話しづらいし、首も疲れるんだけど」
首の後ろに手を当てわざとらしく首を左右に傾けて、隣に来いとアピールしてくる。
私は肩からかけていた大きめのバックを、敢えて二人の間に入るようにかけ直し、少し距離を開けて横に並んでみた。
体の右側が……熱い。
突然の身体の反応は、随分昔に体験したのと同じ感覚だ。
どうしてこんなに今と昔が鮮明にリンクするんだろう。
私達の関係はすっかり変わってしまっているというのに。
すっかり大きく逞しくなったけれど、背中の形や歩き方は昔と変わっていない。
忘れたはずだったのに鮮明に思い出すあのころの後ろ姿は、昔の私の心まで思い出させてしまいそうで怖くなった。
「なんで?」
ふと声をかけられたけれど、なんのことを言っているのか理解できない。
「なんで隣、歩かないわけ?」
「ああ……」
なんだ、そのことか。
てっきり何か昔のことでも聞かれるのかと思ってしまった。
「特に理由はないです……」
あの頃は当たり前だった藤瀬くんの隣なのに、今では私の足を竦ませる場所になっているようだ。
「横に来てもらわないと話しづらいし、首も疲れるんだけど」
首の後ろに手を当てわざとらしく首を左右に傾けて、隣に来いとアピールしてくる。
私は肩からかけていた大きめのバックを、敢えて二人の間に入るようにかけ直し、少し距離を開けて横に並んでみた。
体の右側が……熱い。
突然の身体の反応は、随分昔に体験したのと同じ感覚だ。
どうしてこんなに今と昔が鮮明にリンクするんだろう。
私達の関係はすっかり変わってしまっているというのに。