純真~こじらせ初恋の攻略法~
クライアントとプランナー。
今回の依頼で、谷脇さんはかなりの金額をお支払いいただくことになる。
こちらとあちら。
立場の差は歴然で、これ以上どう言葉にすればいいのかわからなくなる。
「藤瀬くんはもう帰ってくれていいよ」
とんでもないことを平気で言ってくる谷脇さんに、私はもう唖然とするしかない状況だ。
「いえ、アシスタントを置いて帰るわけにはいきません」
立場の差を突きつけられ、あげくに帰っていいとまで言われてしまっているにも関わらず、ハッキリとそう断ってくれる藤瀬くんに胸が熱くなる。
「俺が帰れって言っても?」
「申し訳ありませんが」
「じゃ、先に玄関で待っててよ」
「私のアシスタントへのご要件なら、ご一緒させて頂きます」
ここまで食い下がってくれる藤瀬くんに、谷脇さんはとうとう舌打ちをした。
「だから、個人的な話だって言ってんだよ」
急に口調がきつくなった谷脇さんに、これ以上藤瀬くんが食い下がってしまったら、きっと谷脇さんは藤瀬くんのことを罵倒し始めるだろう。
それだけはどうしてもさせたくない。
「藤瀬さん。私は大丈夫ですから先に玄関に行ってて下さい」
「いや、でも……」
「大丈夫。ですから」
藤瀬くんの言葉を私が遮ると、藤瀬くんは顔を歪めながらも谷脇さんに一例して玄関へと向かった。
私のために抵抗してくれた藤瀬くんには申し訳ないが、こういう人種は前の会社で嫌というほど見てきた私は、こうするのが一番の解決方法だと思った。
「社に戻らなければなりませんので時間がありません。申し訳ありませんがお話は簡潔にしていただけると有難いのですが」
へたに下手に出たり怯えるよりも、毅然とした態度をとらなければ。
そう思って堂々とそう言ってみたのだけれど。
やはり立場の差はそう簡単に逆転などしなかった。
今回の依頼で、谷脇さんはかなりの金額をお支払いいただくことになる。
こちらとあちら。
立場の差は歴然で、これ以上どう言葉にすればいいのかわからなくなる。
「藤瀬くんはもう帰ってくれていいよ」
とんでもないことを平気で言ってくる谷脇さんに、私はもう唖然とするしかない状況だ。
「いえ、アシスタントを置いて帰るわけにはいきません」
立場の差を突きつけられ、あげくに帰っていいとまで言われてしまっているにも関わらず、ハッキリとそう断ってくれる藤瀬くんに胸が熱くなる。
「俺が帰れって言っても?」
「申し訳ありませんが」
「じゃ、先に玄関で待っててよ」
「私のアシスタントへのご要件なら、ご一緒させて頂きます」
ここまで食い下がってくれる藤瀬くんに、谷脇さんはとうとう舌打ちをした。
「だから、個人的な話だって言ってんだよ」
急に口調がきつくなった谷脇さんに、これ以上藤瀬くんが食い下がってしまったら、きっと谷脇さんは藤瀬くんのことを罵倒し始めるだろう。
それだけはどうしてもさせたくない。
「藤瀬さん。私は大丈夫ですから先に玄関に行ってて下さい」
「いや、でも……」
「大丈夫。ですから」
藤瀬くんの言葉を私が遮ると、藤瀬くんは顔を歪めながらも谷脇さんに一例して玄関へと向かった。
私のために抵抗してくれた藤瀬くんには申し訳ないが、こういう人種は前の会社で嫌というほど見てきた私は、こうするのが一番の解決方法だと思った。
「社に戻らなければなりませんので時間がありません。申し訳ありませんがお話は簡潔にしていただけると有難いのですが」
へたに下手に出たり怯えるよりも、毅然とした態度をとらなければ。
そう思って堂々とそう言ってみたのだけれど。
やはり立場の差はそう簡単に逆転などしなかった。