純真~こじらせ初恋の攻略法~
友達以外に話す私と藤瀬くんの過去の話は、自分の気持ちを曝け出しているようで恥ずかしくもあり。
同時に封印していた想いを溢れ出させることにもなり。
スッキリした半面、少し後悔した。
順を追って事細かに語ってしまったので、かなり長い話になってしまった。
しかし美海さんは自分の意見で私の話を遮ることなく、最初から最後までしっかりと聞いてくれた。
「そうだったんだ。だから茉莉香ちゃんと藤瀬くんはあんなにぎこちなく見えるのね」
腑に落ちたというように、美海さんは小さく何度も頷いた。
「そして藤瀬くんと別れてからの茉莉香ちゃんは、男性が安心できるような愛情を与えられないまま、今に至る……というわけかぁ」
「そうなんです。お前はいつも、誰のことも見ていないって。好きになって付き合ったはずなのに、そう言われちゃうと不思議とそうなのかなぁって思えてしまうんですよね」
大きな溜め息をつくと、美海さんは「う~ん……」と唸り声を上げる。
「そうかな?少なくとも今の茉莉香ちゃんを見る限り、藤瀬くんのことはしっかり見てる気がするけど」
唐突にそんなことを言われてしまって、私は口に入れたばかりのチーズフリッターを吹き出しそうになってしまった。
素早く咀嚼したあとビールで流し込むと、軽く咳払いをして「それは違います」と否定した。
「確かに裏切られて傷付いて男性不振になって、藤瀬くんのこと恨んだ時期もありましたけど、私の中では過去の事として割り切ったつもりです。今は仕事の上でいいパートナーになれればいいと思ってます」
そんな飾った言葉を並べてしまったけれど、本当はその言葉に嘘が混じりつつあることは敢えて伏せておいた。
「それなんだけどさ。藤瀬くんって本当に茉莉香ちゃんを裏切って、他の女と付き合ってたのかな?」
「……え?」
美海さんの言葉は、今まで私が一度も考えもしなかったことだった。
同時に封印していた想いを溢れ出させることにもなり。
スッキリした半面、少し後悔した。
順を追って事細かに語ってしまったので、かなり長い話になってしまった。
しかし美海さんは自分の意見で私の話を遮ることなく、最初から最後までしっかりと聞いてくれた。
「そうだったんだ。だから茉莉香ちゃんと藤瀬くんはあんなにぎこちなく見えるのね」
腑に落ちたというように、美海さんは小さく何度も頷いた。
「そして藤瀬くんと別れてからの茉莉香ちゃんは、男性が安心できるような愛情を与えられないまま、今に至る……というわけかぁ」
「そうなんです。お前はいつも、誰のことも見ていないって。好きになって付き合ったはずなのに、そう言われちゃうと不思議とそうなのかなぁって思えてしまうんですよね」
大きな溜め息をつくと、美海さんは「う~ん……」と唸り声を上げる。
「そうかな?少なくとも今の茉莉香ちゃんを見る限り、藤瀬くんのことはしっかり見てる気がするけど」
唐突にそんなことを言われてしまって、私は口に入れたばかりのチーズフリッターを吹き出しそうになってしまった。
素早く咀嚼したあとビールで流し込むと、軽く咳払いをして「それは違います」と否定した。
「確かに裏切られて傷付いて男性不振になって、藤瀬くんのこと恨んだ時期もありましたけど、私の中では過去の事として割り切ったつもりです。今は仕事の上でいいパートナーになれればいいと思ってます」
そんな飾った言葉を並べてしまったけれど、本当はその言葉に嘘が混じりつつあることは敢えて伏せておいた。
「それなんだけどさ。藤瀬くんって本当に茉莉香ちゃんを裏切って、他の女と付き合ってたのかな?」
「……え?」
美海さんの言葉は、今まで私が一度も考えもしなかったことだった。