絶対領域
「姉ちゃん!」
また、呼ばれた。
声に誘われるがまま、手探りで意識を再起動させていく。
その度に痛みは強くなっていく。
それでも。
起きなくちゃ。
そうしなければいけない気がする。
「姉ちゃ……っ!」
ズキンッ。
声が頭に響いて、思わず重たい瞼をわずかに動かした。
ゆっくり、ゆっくり、瞼を持ち上げる。
急激に視界に差し込んでくる外の光が眩しくて、すぐに閉じてしまった。
「……ね、ちゃん?」
そんな、不安そうな声を出さないで?
今、起きるから。
ねぇ。
「せ……ちゃ、ん……」