絶対領域




微妙に解釈が噛み合ってないような……。

まあ、いいか。


そんなことより、本題だ。



「なんで私をデートに誘ったの?」



西校前で待ち伏せて、強引な手段を使って。


そこまでして、なんで?



「ソーリー、1か所訂正させてほしい。これはデートではないのだ」


「うん、でしょうね」



即答したら、「なぬっ!?」と仰天された。


普通気づくでしょ。

デート感、ゼロだもん。



「で、なんで?」



改めて聞き直す。


オウサマは真っ直ぐ私を見据えた。



「一度ゆっくり、ユーと2人でトーキングしたかったのだ」


「お話?」


「ユーのことを、知りたくなったのだよ」



そのために、わざわざ……?

お喋りなんか、いつでもどこでもできるのに。



どことなく不敵な雰囲気が漂っていて、腑に落ちないが、とりあえず要望の『トーキング』を叶えてみることにする。




「私の何が知りたいの?」


「ふむ、そうだな……あ、体調はもうよいのか?」



手始めに、当たり障りない話題から。


具合悪かったら、あず兄はもっと怒ってたでしょうよ。




「1週間休んだおかげで、すっかり元気」


「ワンウィーク!?では、本日が久し振りの登校であったか」


「そうなの。オウサマ、ラッキーだったね。昨日だったら誘うこともできなかったよ」


「今朝の占いで1位であったゆえ、本日を選んだのだが……なるほど、確かに我はラッキーだ」




占いで決めたんだ。

意外だ。


< 382 / 627 >

この作品をシェア

pagetop