絶対領域
微妙に解釈が噛み合ってないような……。
まあ、いいか。
そんなことより、本題だ。
「なんで私をデートに誘ったの?」
西校前で待ち伏せて、強引な手段を使って。
そこまでして、なんで?
「ソーリー、1か所訂正させてほしい。これはデートではないのだ」
「うん、でしょうね」
即答したら、「なぬっ!?」と仰天された。
普通気づくでしょ。
デート感、ゼロだもん。
「で、なんで?」
改めて聞き直す。
オウサマは真っ直ぐ私を見据えた。
「一度ゆっくり、ユーと2人でトーキングしたかったのだ」
「お話?」
「ユーのことを、知りたくなったのだよ」
そのために、わざわざ……?
お喋りなんか、いつでもどこでもできるのに。
どことなく不敵な雰囲気が漂っていて、腑に落ちないが、とりあえず要望の『トーキング』を叶えてみることにする。
「私の何が知りたいの?」
「ふむ、そうだな……あ、体調はもうよいのか?」
手始めに、当たり障りない話題から。
具合悪かったら、あず兄はもっと怒ってたでしょうよ。
「1週間休んだおかげで、すっかり元気」
「ワンウィーク!?では、本日が久し振りの登校であったか」
「そうなの。オウサマ、ラッキーだったね。昨日だったら誘うこともできなかったよ」
「今朝の占いで1位であったゆえ、本日を選んだのだが……なるほど、確かに我はラッキーだ」
占いで決めたんだ。
意外だ。