絶対領域
せーちゃんだけじゃない。
私自身も、成長してる。
体も、髪も、何もかも違う。
不安が、胸を締め付ける。
急に冷静になって、意識が完全に明瞭になる。
せーちゃんの胸板を軽く押して、恐る恐る周囲を見渡した。
ドクン。
さっきとは違う苦痛が、全身に轟く。
「……何、これ」
冷たいコンクリートの上。
ところどころに滲んだ、赤い跡。
乱雑に転がる、ナイフと拳銃。
それから、地面を隠すように横たわる、生きた屍たち。
ぞっとした。
吐きそうになり、慌てて口を手で覆う。
これは、現実なの?
「ここは、どこ?」