絶対領域
「最強の族が誕生したんだから、どんと構えてようぜ!」
「それ自分で言うか?……まあ、トップの座は神雷で決定だろうけど」
不敵なオーラを纏いながら、自信満々に笑い合う。
そんな2人におもむろに背を向け、再び歩き出した。
「……ついに、か」
ようやく敵対関係に、決着がついた。
ずっと待ちわびていた。
まさかこんな答えになるなんて思いもしなかったけど、始まりも素敵なら終わりも素敵だ。
胸が、騒ぐ。
期待と、喜びと、夏日にも負けない輝かしい予感で。
本当の始まりはここから。
神雷として、ずっと、想いを紡いでいって。
でもまずは、祝福しなくちゃいけないね。
『いつか、遠い未来で、敵対関係に答えを出せたら』
『その時はまた、皆で集まって花火をしようよ』
あの約束を、叶えよう。
カフェの前で親友を待ちながら、懐かしいメンバーにメールを送信した。
――あの領域で、また会おう。
絶対に忘れられない日になる。
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