絶対領域
バンちゃんとしん兄は賛成してくれた。
残るは3人だ。
「僕はいいよー!楽しそうだしぃ」
ゆーちゃんが片手を上げて、ゆるく返事した。
「せーちゃんとあず兄は?」
「……い、一緒なら、別に……」
「しょうがねぇなぁ」
2人も私のわがままに付き合ってくれるらしい。
皆の優しさに、甘えてばっかりだ。
「ありがと、皆」
困り顔で伝えたら、皆が皆、小さな笑みを漏らした。
「それじゃあ、行くよ!皆、ちゃんとついてきてね!」
私も、“あなた”を見失わないように注意しなくちゃ。
紅の光に邪魔されたって、しつこく追いかけてやる。
そして、私たちは走り出した。
向かっていた東側とは真逆の、西側へ。
“あなた”がたどった道を、進んでいく。