絶対領域
とうに遠ざかった“あなた”の背中を、切なくなぞる。
「……やっぱり、わざとだったんだね」
目が合った一瞬で、察してしまった。
“あなた”は、私たちが尾行していることに気がついていたんだ。
そして、わざと、ここに招いた。
意味深な、この出会いのために。
出会わせたかったのは、私と『皆』か、『皆』と神亀かは定かではないが。
「私は見事に、“あなた”の手のひらの上で踊っていたわけだ……」
それも悪くない、と。
本気で思えてしまえるほど、私は、もう。
深いところまで溺れている。
誰にも気づかれないように深呼吸をして、気を取り直す。
私も洋館の敷地を出た。
立派な洋館の手前。
男の子10人+私、総勢11人が、対峙する。