絶対領域
視線の先にいたのは……
「えっと、あの、その……」
オウサマの背後に縮こまっていた、気弱そうな男の子。
何度か確かめたけど、間違いない。
ゆーちゃんは彼を見ていて、彼はゆーちゃんから隠れてる!
「ふ、2人は、知り合い?」
「は、はい、幼なじみなんです」
覗き込みながら尋ねてみれば、気弱そうな男の子が恐る恐る前方に出てきた。
それに合わせて、ゆーちゃんも前に飛び出してくる。
「ユカ」
「っ、」
幸せオーラ全開のゆーちゃんと、怯える気弱そうな男の子。
幼なじみなのに、反応は正反対。
仲がいいのか、悪いのか。
「……ゆ、ユウも、不良になってたんだ、ね……」
「うんっ。ユカが不良デビューしたって聞いて、真似してみたんだぁ。本当はユカと一緒のグループに入りたかったんだけど、わからなかったから神亀に入ったの~」
でも、とゆーちゃんの薄い黒の眼が細められる。
「やっと、見つけられた」