絶対領域
「俺たちの総長がああ言ってるんで、今日のところはこの辺で」
「急に押しかけてすまんな」
あず兄とせーちゃんは、バンちゃんとしん兄の対応の仕方を少しは見習って!
「えっ、帰るの!?僕、やだ!やだからね!僕はもっとユカと………って、うわあ!?」
「子どもはもう帰る時間ですよーっと」
「な、何するのさ!おろしてよぉ!!」
「だーめ」
駄々をこねるゆーちゃんを、バンちゃんが横抱きした。
手足をじたばた振り回して抵抗するが、バンちゃんには効き目がない。
私はあず兄に引きずられながら、唖然としている双雷のメンバーを見据える。
こんな展開になるなんて……!
私だって、もっとオリと一緒にいたかったよ!
ハッと我に返ったみーくんが、声を張り上げた。
「萌奈!」
一早く反応したあず兄とせーちゃんの威圧に物怖じすることなく、みーくんは真剣な顔つきで叫ぶ。
「新人いびりには気をつけて!あと、萌奈なら、俺らの領域に踏み入れても快く歓迎するよ!いつでも会いに来て!」
「うっせー、チビ!もう二度と来ねぇよ!」
……なんでせーちゃんが返答しちゃうの。
あれは私宛でしょうが。