絶対領域
次の日。
いつもより大分窮屈な放課後を、曇り空に見守られている。
窮屈な気分になってる原因は、
「この道はダメだ。姉ちゃんのこと、いやらしい目で見てるオスどもが多すぎる!」
「なら路地を通って、たまり場に行くか」
明らかに、こいつら。
右にせーちゃん、左にあず兄。
1ミリの隙間もなく詰め寄って、完全と思ってる警備体制を作っている。
おかげで肩身が狭い。物理的に。
窮屈で動きづらし、ぶっちゃけウザい。
いつもより過保護なセコムが暴走しているのは、昨日双雷と出会ったせいだ。
それに、昨日は黙っていたみたいだけど、2人は私が新人いびりに巻き込まれたことがよほど辛く、ショックだったらしい。
不甲斐なく思わなくていいのに。
2人のせいじゃないんだから。
だけど、私のことでまた2人に心配をかけてしまったのは事実。
……そういう事情もあって、私は、この窮屈な警備を頭ごなしに拒めないのだ。