圭二とアヤ

赤【りんご】



次の日になった。
今日は寝起きが悪い。

「アヤ?」

「なんやねん!」
「なんきれてんの?」
「は?切れてないし!」
「切れてる!」
「うざいねん!話しかけんな!」
「冷たいなぁ。」
「あと今度アヤって呼んだらしばく。」

朝から嫌いなやつに特別な呼び方で呼ばれたりしたら、
ここまで切れるのは普通らしい。

うざいうざいうざいうざい・・・。

次アヤって呼んだら半殺しにせな気が済まん!

「アヤ・・・」
「近づくなって言いよるやろ!うざいねん!」

後ろを振り返るとケイジだった。

「ごめん・・・これ。」

ケイジはそれだけ言って、ケータイを手に渡すと走り去って行った。

「ちがうねん・・・」

そんな言葉はケイジの耳に届くはずなんてなかった。

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