私、田口まりなは先生と不倫しています。
「先生にとってそれが一番いいと思ってるの」




「そうだな。お互いのためだと思っている」




「わかった。先生の出した答えを尊重する。ありがとう。先生が私の初めての人で良かったよ」




先生の言葉を聞かずに車を出た。



泣いてるのかもわからない。



でも、すれ違う人は驚いた顔をしている。
きっと、メイクも落ちてすごいことになっているんだろうなと思いながら

先生と初めてそんな関係になった研修先を目指した。






バスに乗り、新幹線に乗って着くころにはもう、夜になっていた。




「先生、さよなら」















私は、静かな公園でひとりベンチに座りながらつぶやいた。
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