あやかし神社へようお参りです。
参章 妖狐の願い
「おかえり、麻ちゃん。お昼ご飯できてるよ」
裏の扉から入り自宅に上がり廊下を歩いていると、台所から三門さんがひょっこりと顔を出した。
「丁度いいタイミング。たった今ご飯が炊けたよ」
しゃもじを軽く持ち上げた三門さんに、自然と頬が緩み駆け寄った。
お椀にお米をよそった三門さんは、その上に親子煮とカツを乗せていく。今日のお昼ご飯はかつ丼らしい。
「さ、居間へ運んでお昼にしようか」
「は、はい……!」
返事を返してそれを手伝った。