あやかし神社へようお参りです。
『私の本体である木が腐りかけているのです。木が朽ちてしまえば、私も消えてしまいます。それまでになんとしても、残りのひとりを見つけたい』
思わず眉間に皺がよる。三門さんも同じ表情をしていた。
着物を元に戻してこちらに向き直ったケヤキは、意志のこもった強い目で三門さんをまっすぐと見つめる。
黙って聞いていた三門さんが難しい顔のまま口を開く。
『君の願いは分った。でも、どうして君が魑魅を追うんだい?』
途端、ケヤキは悲しそうな顔で目を伏せた。唇を一文字に結び、何かを堪えるように眉根を寄せて膝の上で拳を握る。
『……申し訳ありません。今は、訳あって、としか言えぬのです』
私と三門さんは顔を見合わせた。