あやかし神社へようお参りです。
肩をこわばらせ俯くケヤキに、よほど言いづらいわけがあるのだと察することができた。
『突然訪ねてきて、訳も話さぬまま助けを乞うのはおかしいと分かっております。でも……でも、私には三門さましか頼れるものがおらぬのです。どうか、そのお力をお貸しください』
畳に手を付き深く頭を下げたケヤキに、三門さんは小さく息を吐いた。
『……結守神社は妖と人を助け、導く神社だ』
顔をあげひとつ頷いたケヤキに、三門さんは続ける。
『どんな妖でも助けを乞えば、僕はできる限りのことをするよ。でももし君の胸に秘めているものが間違っているのであれば、正しい方へと導くのも僕の仕事だ。だから、いつかその判断をしなければならない時が来たら、必ずすべてを話すって、約束してくれるかな』