あやかし神社へようお参りです。
ケヤキの横顔を見ながら考える。
彼はその胸に、一体どんな想いを秘めているのだろうか。どうしてそこまでして、魑魅を追っているのか。どうしてそのわけを話してくれないのか。
気になるのだけれど彼の苦しげな顔を見れば、それ以上問い詰めることなんてできない。
「……三門さまは、泰助さまととても似ていらっしゃいますね」
ぽつりとつぶやいたケヤキに、ふと我に返る。
「そう、なんですね。ひいおじいちゃんとは会ったことがないので、よく知らないんですけど」
「そうでしたか。泰助さまはとても慈悲深くお優しい方でした。私は常々、菩薩はこのような人なのだろうなと思っておりました」
ケヤキは懐かしむように目を細めて空を見上げた。