あやかし神社へようお参りです。
葵に手を引かれ、自宅から社務所へと移る。
小上がりに腰掛ける人たちがいた。三門さんにケヤキ、ババに仲良くなった妖の子供たち。他にも二十人くらいの妖がいて、皆で楽しそうに語らっている。
「あっ、こら葵。麻ちゃんのこと無理やり起こさないようにって言っただろ」
その中心に座っていた三門さんが、困ったように眉をさげてそう言う。葵は唇を尖らして鼻を鳴らした。
「私は寝坊助をたたき起こしただけだ!」
「人の子は眠る時間なんだよ」
分かってるし、とさらに唇を尖らせて眉間に皺を寄せた葵を「まあまあ」と宥める。
「あの、私は大丈夫です、三門さん。葵にも会いたかったし」