あやかし神社へようお参りです。
そう言った途端、子どもみたいに目を輝かせた葵が「私もだ!」と、私の手を握りぶんぶんと上下に振る。
すっかり機嫌が直ったのか鼻歌混じりに「麻は私の隣だぞ」と笑い、私の手を引き小上がりに座る。
ババが目じりをしわくちゃにして「随分と仲良くなったんだねえ」と、嬉しそうに微笑んだ。
パンパン、と手を打った三門さんに妖たちは会話をやめて振りかえる。
「みんな、忙しい時間に集まってくれてありがとう。話があって、集まってもらったんだ。詳しくは彼から」
三門さんがケヤキに向かってひとつ頷いた。皆の視線がケヤキへと移る。
姿勢を正したケヤキはひとつ頭を下げてから口を開いた。
「隣町に住む木霊のケヤキと申します」