あやかし神社へようお参りです。
何人かの妖はケヤキのことを知っていたらしく、驚いたように目を見開いている。どうやらババもその一人だったらしい。
「なんだい、しばらく見ないうちにえらく美人になったじゃないか! 最後に会ったのはアンタが鼻たれ小僧の頃だったから、名前を聞くまで分からなかったよ」
ケヤキを知っている妖たちが、それに同調するかのようにうんうんと頷く。
「やめてください、ババさま。随分と昔の話ではありませんか」
鼻たれ小僧、と言われたのが恥ずかしかったのか少し頬を赤く染めて微笑んだケヤキ。
「何言ってんだい。何百年と生きているババたちからすれば、アンタなんていつまでも子どもさ」
ケラケラと笑ったババに、他の妖たちもお腹を抱えて笑い出す。三門さんまでもだ。