悪いオトコ
3
別れられないと気づいてからは、別の意味で息苦しくもなった。
彼とは何度会っても上辺の付き合いにしか感じられず、いつ終わってもおかしくないようにしか思えなかった。
好きになればなったで、関係は変わらず不毛にも思えた。
「……どうして、」
キスの後で、口にする。
「……どうして?」
目の前の彼が、私の言葉をそのまま返す。
いつ終わってもおかしくないわけは、もう一つあった……彼は、キス以上に及ぶことは決してなかった。
「……したくないの?」
聞いてみたところで、いつも答えは一緒だった。
「したいの?」
彼は何も感情を見せず、私の言うことを同じように口にして、
「君がしたいなら、考えてもいいけど。……君、俺とそうなりたいとは思ってないよね?」
はぐらかすようにも話した。
したくないかどうかに、はっきりとした意思なんてなかった。
好きだからそこに行き着くだけで、だからこそ、この男を自分が好きになってしまったことが、
ただ悔しくて、苦しかった。
彼とは何度会っても上辺の付き合いにしか感じられず、いつ終わってもおかしくないようにしか思えなかった。
好きになればなったで、関係は変わらず不毛にも思えた。
「……どうして、」
キスの後で、口にする。
「……どうして?」
目の前の彼が、私の言葉をそのまま返す。
いつ終わってもおかしくないわけは、もう一つあった……彼は、キス以上に及ぶことは決してなかった。
「……したくないの?」
聞いてみたところで、いつも答えは一緒だった。
「したいの?」
彼は何も感情を見せず、私の言うことを同じように口にして、
「君がしたいなら、考えてもいいけど。……君、俺とそうなりたいとは思ってないよね?」
はぐらかすようにも話した。
したくないかどうかに、はっきりとした意思なんてなかった。
好きだからそこに行き着くだけで、だからこそ、この男を自分が好きになってしまったことが、
ただ悔しくて、苦しかった。